五行「火」と心・小腸の関係|東洋医学から見る心のはたらきと「喜び」

心と小腸

東洋医学の五行では、「火」に対応する臓腑として「心(しん)」と「小腸」があります。

「心」と聞くと、「こころ」を思い浮かべるかもしれません。しかし、五臓の「心」は、心臓とまったく関係のない抽象的な概念ではありません。東洋医学における「心」は、現代医学の心臓と重なる部分を持ちながら、血の巡りや意識、精神活動なども含めて捉える、より広い概念です。

また、五行における「火」は、熱や温かさ、上へ向かう性質などと関連づけられています。

今回は、「火」と心・小腸の関係を通して、東洋医学では身体をどのように捉えているのかをご紹介します。

目次

五行における「火」とは

東洋医学五行

五行とは、自然界にあるさまざまなものを、

という5つの性質に分け、その関係性を捉える東洋医学の考え方です。

「火」は、五行のなかでも熱や温かさ、明るさ、上昇といった性質を持つものとして考えられています。火を思い浮かべると、燃え上がる炎や太陽の熱をイメージするかもしれません。火は周囲を温め、明るく照らす存在です。

五行では、こうした自然界の性質と人間の身体を重ね合わせながら、それぞれの臓腑や季節、感情などとの関係を見ていきます。そして「火」に対応する五臓が「心」です。

「火」に対応するのは心と小腸

五行では、「火」に対応する臓腑として「心」と「小腸」があります。心は「五臓」のひとつ、小腸は「六腑」のひとつで、東洋医学ではこの二つは「表裏(ひょうり)」の関係にあると考えられています。

腸というと、大腸と小腸をまとめて考えることが多いかもしれません。しかし東洋医学では、それぞれを異なる臓腑として捉え、

  • 心と小腸は「火」
  • 肺と大腸は「金」

というように、それぞれ異なる組み合わせのなかに位置づけています。

このように東洋医学では、それぞれの臓腑を単独で存在するものとしてではなく、ほかの臓腑や身体全体とどのようにつながっているのかという視点を大切にします。

現代医学が臓器の構造や機能を詳しく見ていくのに対し、東洋医学には、こうした臓腑どうしの関係性や身体全体のつながりを見るという特徴があります。腸を入口に東洋医学を見ていくと、「腸」というひとつの言葉のなかにも、さまざまな見方があることに気づきます。

腸もみ

東洋医学における「心」は、心臓を中心とした広い概念

東洋医学における「心」は、現代医学の心臓と完全に同じものではありません。だからといって、心臓とは別のものというわけでもありません。(ここが東洋医学のちょっと難しいところでもあるのですが)

東洋医学では、心臓の働きと重なる部分を含みながら、身体全体のなかでの役割をより広く捉えています。その代表的な考え方が、「心は血脈を主る」というものです。「血脈」とは、血と脈のこと。東洋医学では、心は血の巡りと深く関わるものとして考えられています。

心臓が全身に血液を送り出すという現代医学的な心臓の働きとも重なるため、比較的イメージしやすい部分かもしれません。ただし、東洋医学の「心」は、それだけにとどまりません。

もうひとつ、「心は神志を主る」と考えられています。

「神志を主る」とはどういうこと?

東洋医学では、「神(しん)」という言葉を、生命活動や意識、精神活動などに関わるものとして捉えます。「心は神志を主る」とは、心が意識や思考、精神活動などとも深く関わるという考え方です。

現代では、心と身体を別々のものとして考えることもあります。けれど、日常生活のなかでも、身体の状態と精神的な状態を完全に切り離せないと感じる場面は少なくありません。

緊張すると胸がドキドキする。驚いたときに心拍が速くなる。安心すると、胸のあたりの緊張がゆるむように感じる。私たちは、「こころ」の動きを身体で感じることがあります。

東洋医学の「心」は、こうした身体と精神活動のつながりも含めて捉えている点が特徴です。

心臓という身体の器官を中心にしながら、その働きを単なる臓器の機能だけに限定しない。そこに、東洋医学ならではの身体観があります。

坂本

あなたは普段、ご自身の心の動きに気づいてますか?

「火」と「喜び」の関係

五行では、それぞれの要素に感情も対応しています。

「火」に対応する感情は「喜」です。「喜」は、文字どおり喜びや楽しさと関わるものです。

ただし、東洋医学では、特定の感情があること自体を良い・悪いと判断するのではありません。喜びも、怒りも、悲しみも、人間にとって自然な感情です。五行では、それぞれの感情もまた、身体と切り離せないものとして捉えています。

「火」と「喜」の関係も、「いつも楽しく過ごすべき」という意味ではありません。心臓の働きだけを見るのではなく、人が生きているなかで生まれる感情や意識も、身体と無関係ではない。

そんな東洋医学のつながりのある見方を表すもののひとつと考えることができます。

坂本

腸セラピーサロン凜花では「体にいい物を食べる」だけでなく、「好きなものを気分良く味わう」こともオススメしているのは、この概念があるからです。

心臓だけを切り離して見ない

現代医学では、心臓は循環器として専門的に研究されています。それに対して東洋医学では、「心」を身体全体との関係のなかで捉えます。

血との関係。脈との関係。意識や精神活動との関係。そして、小腸との表裏関係。さらに五行では、「火」という自然界の性質とも結びつけられています。

もちろん、これは現代医学の臓器の捉え方とは異なるものです。しかし、このように身体を多面的に眺めることで、私たちは普段とは違った視点を持つことができます。

ひとつの臓器だけを見るのではなく、その臓器が身体全体のなかでどのような位置づけを持つと考えられてきたのか。東洋医学を知る面白さは、こうした「つながり」にあります。

腸だけを見ない、という東洋医学の視点

腸もみと聞くと、お腹や腸だけに注目するイメージがあるかもしれません。しかし、東洋医学では身体の一部だけを切り離して考えません。

例えば、小腸は「火」の心と表裏の関係にあり、大腸は「金」の肺と表裏の関係にあります。同じ「腸」でも、東洋医学では異なるつながりのなかで捉えられています。

食べること。呼吸すること。眠ること。身体を動かすこと。そして、身体と精神活動の関係。私たちの身体には、一つひとつを完全に切り離すことができないつながりがあります。だからこそ、腸だけを見て、その人の身体のすべてを理解することはできません。

腸を入口にしながら、身体全体へと視野を広げていく。それも、腸セラピーサロン凜花が東洋医学を大切にしている理由のひとつです。

まとめ|「火」と「心」から身体のつながりを見る

五行における「火」は、熱や温かさ、明るさなどの性質と関わります。そして身体では、「心」と「小腸」が対応しています。東洋医学における「心」は、現代医学の心臓と重なる部分を持ちながら、より広い意味を持つ概念です。

血や脈との関係だけでなく、意識や精神活動とも関わるものとして捉えられています。また、「火」には「喜」という感情も対応します。

こうした関係性を見ると、東洋医学では身体を単なる臓器の集合としてではなく、身体、精神、自然などが互いにつながり合うものとして見ていることがわかります。

心と小腸。火と喜び。身体と精神活動。一見すると離れているように見えるものにも、つながりを見出していく。五行の「火」は、そんな東洋医学ならではの身体の捉え方を知るための、ひとつの入り口になるかもしれません。

腸セラピーサロン凜花では、腸だけをひとつの器官として切り離して考えるのではなく、東洋医学の考え方も取り入れながら、身体を全体として感じる時間を大切にしています。

※この記事で紹介している「心」「小腸」などは、東洋医学における概念であり、現代医学における臓器の機能や病気の診断とは異なります。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

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